豊岡8条5丁目・TEL 76-6852

 ニシンと聞くと、骨が多くてちょっと食べにくい魚、というイメージがあった。それをあっという間に塗り替えてしまったのが、だいまる亭の鰊旨煮のひつまぶし(千三百円・税込)、通称“鰊メシ”だ。

 「自分で店をやる時にも、必ず鰊メシはやろうと思っていました」と話すのは、店主の安達大祐さん(43)。以前勤めていたホテルでメニュー開発をした鰊メシだが、最初は「ニシンなんて誰が食べるんだ」と販売に反対する声もあったそう。それでも、絶対にこれは美味い、と安達さんは信念を貫いた。結果、食べマルシェで千三百食を売る人気商品となった。

 そんな安達さんが自信を持ってオススメする鰊メシ。ひつまぶしスタイルで提供され、そのままでもダシをかけても頂けるのがうれしい。どーんと乗ったニシンの旨煮の他に、きんぴらや出汁巻き玉子、カズノコなどがご飯の上に盛り付けられていて、見た目も豪華だ。

 まずニシンから、と一口食べて感じたのはその柔らかさと旨味がぎゅっとつまった美味しさ。そして次に、「骨がまったく口の中に当たらない!」という驚きだった。聞けば、なんと五日かけてニシンを煮ているという。手間ひまかけただけの確かな美味しさと驚きは、ぜひ、お店で体感してほしい。
 そして、ご飯とニシンと薬味をのせてダシをかけて食べると、これもまた美味。ダシ自体が非常にいい味だ。

 「和食のかなめであるダシにはこだわっています。ひつまぶしのダシも、コンブとカツオをつかった添加物なしのもの。あとは、麦ミソとしょうゆは十勝の本別町にある、渋谷醸造の道産原料一〇〇%のものを使っています。なるべく無添加で、道産のものを使いたいな、と。おいしいものを、ゆっくり楽しんでもらいたいですね」と話す安達さんだ。

 営業時間は昼が午前十一時半から午後二時、夜が午後五時半から同十時まで。どちらもラストオーダーは三十分前。土曜日はランチはお休み。火曜日定休。(作田穂菜美)

 

ケロコメモ
 ここはオープンしてすぐに行って、それからしばらく行ってなかった。鰊旨煮のひつまぶしが大好き。トーヨーホテルでやってた時は、そればかり食べてました。
 ホテルからなくなって、もう食べられないと思ってたら、このお店でやってた。やっぱり変わらぬ美味しさ。
 他に今の季節にぴったりの冷たいうどんもあった。これを食べたら、しばらく鰊旨煮のひつまぶしは食べないかも…。いや、うんとお腹を空かせて、両方食べちゃうか!

2024年06月25日号掲載