髙砂酒造(宮下十七)が八日、美瑛町美馬牛の山中で、搾り立ての原酒をタンクに入れたまま貯蔵する雪囲い作業を行った。
雪の中に埋めたのは、高さ三㍍、直径二㍍の七㌔㍑タンク二本。午前と午後の二回に分けて蔵から酒を運び、六人の蔵人が約五時間かけてタンクを雪の中に埋めた。
それぞれのタンクには、北海道産の酒造好適米・彗星(すいせい)を使った「純米酒 大雪 雪中貯蔵」と、同じく吟風(ぎんぷう)で仕込んだ「純米吟醸酒 大雪 雪中貯蔵 」の二種類が詰められた。貯蔵タンク全体を雪で覆うことで、外気に触れずタンク内の温度がマイナス二度前後に保たれる。それにより長期低温熟成が進み、搾りたてのやや荒々しい酒質がまろやかに仕上がるという。
作業を行った同蔵の廣野徹部長は「今年は雪が多くスムーズに作業が進みました。後は、しっかりと熟成し、美味しい酒が出来るのを待つだけです」と期待を寄せた。
貯蔵した酒は、三月中旬頃に掘り出してびん詰めされ、四~五月にかけて店頭に並ぶ予定だ。(工藤森)