大雪エリアの広域観光を推進するため組織された、旭川市を中心とした一市八町で構成する大雪カムイミンタラDMOが、十一月十六日から十八日までの三日間、「ONガスAT」事業を試みた。

 「ONガスAT」とは、ON(温泉)、ガス(ガストロノミー、食)、AT(アドベンチャートラベル)を組み合わせた造語。この三つを満喫する、旭川から層雲峡への旅を、その分野のインフルエンサー(SNSなどインターネット上で強い影響力を持つ人)を招いて行った。この中には、総フォロワー数が六十六万以上というインフルエンサーもいた。

 まず、この事業を広く市民に知ってもらうため、導入となるセミナーが十六日、ICTパーク・コクゲキ(三ノ八)で行われた。温泉ソムリエで温泉水振興協会代表の名倉由佳さんと、野菜ソムリエでアミューズ代表の江刺誠治さんが講演を行い、その後、旭川食のアンバサダーを務める料理人の下國伸さんも加わり、地元の資源を最大限生かした「ONガスATの可能性」について語った。

 セミナー後、グルメや旅行の三人のインフルエンサーが、B級グルメの塩ホルモンと地元の酒蔵が作った数々の酒を堪能し、宿泊先のホテルでは下國シェフが提供した地元産野菜を使った“締め”のジェラートを食した。

 十七日朝は、ホテル近くの飲食店で下國シェフ特製のライスヌードルを食べた後、起伏が多く運動量が期待できる旭山動物園へ。ここでも下國シェフ監修のカレーライスを。その後、層雲峡温泉で湯めぐりをし、温泉ホテルが贅を尽くした料理で一日を終えた。

 十八日は、温泉郷の銀河・流星の滝や大函、層雲峡ビジターセンターなどを回り、夕刻に解散した。

 DMOでは、この事業の目的を「宿泊者を増やす」ことを最大の目標とした。そのため、発信力の大きいインフルエンサーに大雪エリアの自然や食などの素晴らしさ、未知の異文化を知ってもらい、SNS上にアップしてもらおうと企画した。

 随行した職員は「出てくるあらゆる食事や料理はもとより、雪景色にも歓喜しながら、スマホで写真を撮りまくっていました。中には、その場からSNS上にアップしている人もいました。その反響はこれから段々と出てくると思いますが、期待しています」と語る。

 これまで「温泉と食・料理」の旅行は多くあったが、アドベンチャートラベルを加えた三要素の企画はDMOとしても初めての試みという。反響を見ながら、大雪エリアを大いに売り出してく計画をしている。(佐久間和久)