今年、開局三十周年を迎えたFMりべーるのパーソナリティ・浅利豪さん(55)が担当する「クラシックにくびったけ」が十二月八日の放送で一千回を迎える。
「くびったけ」は毎週日曜日午前九時から一時間、クラシック音楽を気軽に聞くことのできる、同局の中でも長寿番組の一つ。
浅利さんは現在、旭川市の行財政改革推進部長。旭川東高、弘前大学農学部卒後、旭川市役所に勤務。農政部、東京事務所、観光部、市立病院事務局長、新型コロナウイルス感染対策担当部長などを経て、現在に至っている。「日本のまつり」や「北の恵み 食べマルシェ」「旭川市冬まつり」などの記念行事やイベントに携わってきた。
放送第一回目は、二〇〇五年四月十日。浅利さんは「ちょうど観光課にいた頃です。旭山動物園や旭川観光のPR、それに市政情報を、FMりべーるさんを通して発信して行こうと、マダムケロコさんらの番組などに出演させていただいていました。そうこうするうち、私がクラシック好きであることが知れ、『クラシック番組を』ということになりまして」と話す。
山川裕央放送局長は、「ラジオにはジャズと落語、それにクラシックの三つには必ず一定のファンがいます。当時、ジャズと落語のパーソナリティはいたのですが、クラシックのパーソナリティが不在でした。浅利さんのお話を聞いていくうちにクラシックに大変詳しことが分かり、『是非!』と、お願いしました」と振り返る。
浅利さんがクラシックにハマったのは、道教育大学付属中学校の一年生の時。すぐ後ろの席に座っていた友人がクラシックを勧めてくれたことと、三年間担任だった恩師が音楽の先生だったこと、それに叔父からステレオのセットを譲り受けたことがきっかけだった。
中学二年の頃、初めて生で聞いた東京交響楽団のブラームス作曲の交響曲第一番の感動は、今でも忘れられないという。その後、レコードやCDを買いあさり、所有枚数は現在、約一万五千枚。「くびったけ」に使用するCDは、この中から選曲する。「結構、きちんと管理しているので、曲が決まると、すぐに取り出すことができる」という。
近年は作曲家や指揮者などの誕生・没後のアニバーサリーを迎えた音楽家の特集を中心に番組を構成している。「クラシックを多くの市民の皆さんに聞いていただきたい、好きになってもらいたい、興味をもっていただきたいと思い、放送しています」と熱く語る。
この二十年間で、ただの一回も放送を欠かしたことはないが、最も大変だったのは、新型コロナウイルス感染対策担当部長だった時。深夜までの残業が長期間続き、放送どころではなかったが、金曜日か土曜日の出勤前、早朝に収録することで難を乗り切った。「大変だったが、この番組を通して、感染状況やワクチンの接種情報なども、市民の皆さんに発信することができました」と話す。
一千回の記念放送は十二月七日(土)午後一時から八日(日)午前十時まで、二十一時間の生放送。おおむね一~二時間を一つのテーマで区切り、「二十年間、一千回の放送」「初回の放送」「区切りの放送」を振り返ってや、面白おかしい変なクラシック、私の好きな音楽家など、いつもの放送とは趣が変わった構成となっている。
浅利さんは「音楽のまち・旭川といわれるだけあって、音楽好きの市民が非常に多い。二十一時間の生放送ですので、いつでも遊びに来てください」と呼びかけている。(佐久間和久)