『北のボーダレスアート』(菊地雅子編著、ミツイパブリッシング刊)が十一月八日(金)から発売される。
本書は道内在住の障がい者四十五人のアートを紹介している。
菊地さんは、一九六五年千葉県生まれ。ボーダレスアートサポート北海道代表。多摩美術大学美術学部デザイン科染織デザイン専攻卒業。当麻かたるべの森で創作アドバイザー(二〇〇二~二〇年)、北海道アールブリュットネットワーク協議会事務局(一五~一八年)を務める。現在、上川郡当麻町在住。
出版に至る動機を「過去三十年間、障がいのある方々のアート作品に携わってきました。この間、彼らの作品を取り巻く環境は、大きく変わりましたが『そのままの自分でいいんだよ』という彼らの作品から受け取るメッセージは変わらず、一貫しています。このメッセージは、私の生きる力と活動の原動力になってきました」「本書を通じて、障がい者の多様性と、創作する作者自身の魅力をもっと多くの方に知っていただけたらうれしいです」と書いている。
四十五人の作品はカラーで紹介できないのが残念なほど、色彩と個性にあふれている。作家ごとに三~五㌻を割き、数点の作品と人物とアートについて紹介記事を付けている。
表紙を飾っているのは、けいたさんの描いた「アラスカヒグマ」。この作品に「大胆な解釈 モチーフにオーラ」とタイトルを付け、「彼は図鑑が大好きで、動物や魚などの写真を見ながら、モチーフの中に潜む、さまざまな色味を感じ(アクリル絵具を)塗っているそうです。また、隣り合う色の組み合わせにも気を使っています。いろんな色をパレットに出しますが、なんとなくではなく、画面とパレットを見比べて慎重にえらんでいます」と解説。
後方に三十三㌻にわたり、英文で作家四十五人のそれぞれの紹介もある。このほか、アートディレクターや大学教授、絵本作家らによる対談、鼎談が三編。
帯には、東京藝術大学学長の日比野克彦さんが「ひとって、イイよねー! ひとって、スゴイよねー!」と推薦文を寄せている。
A5判、二百四十㌻。定価・本体三千四百円+税。こども冨貴堂やジュンク堂旭川店で販売予定。