旭川デザインセンター(永山二ノ十)で、二〇二四年秋冬シーズン企画「Made from Hokkaido―北海道の森から生まれる旭川家具」がスタートした。

 旭川家具工業協同組合(藤田哲也理事長)は二〇一四年から、世界的な森林環境の問題に目を向け、北海道産材の活用を推進する「ここの木の家具・北海道プロジェクト」を開始。身近で良質な道産材の使用比率を高めることで、木材の輸送にかかるエネルギーの削減や、北海道の森の持続的な循環に取り組んできた。

 今展は四つのブースで構成。吊り下げられたバナーを見て、世界と日本の森林の現状や、同プロジェクトの十年の軌跡を知れる空間を抜けた先には、ウッドチップが敷き詰められた通路が伸び、その両脇に、道産のナラ、シラカバ、セン、タモ、ニレ、サクラの六種類の素地が展示されている。さらに進むと、木が伐採されてから家具になるまでを追った映像で、旭川家具の「森と共にあるものづくり」を体感でき、一番奥の空間には、六つの樹種ごとにまとめて、ダイニングテーブルやチェア、ソファなどでコーディネート。樹種によって異なる魅力を、それぞれ比較しながら感じることができる。

 同組合専務理事の杉本啓維さんは、「この十年間で、旭川家具の約七割が道産広葉樹で作られるようになりました。節があったり色や木目にムラがあったりする素材は従来、家具に使われて来ませんでしたが、近年はその自然の木材らしさが付加価値としてマーケットに受け入れられるようになったのも理由の一つでしょう。今回の展示を通して道産材に興味を持ってもらい、身近にある森林についても理解していただけたら」と来場を呼びかける。

 展示は二〇二五年三月二十三日(日)まで。問い合わせは同センター(TEL 48―4135)へ。(東寛樹)