第五十七回小熊秀雄賞の贈呈式が十一日、アートホテル旭川(七ノ六)で開かれた。在日韓国人で初の受賞となった姜湖宙(カン・ホジュ、28)さんに、主催する市民実行委員会の橋瓜弘敬会長から正賞の「詩人の椅子」と副賞三十万円が贈られた。

 姜さんは一九九六年、韓国・ソウル生まれ。二〇〇三年、母親と妹と共に渡日。東京で育つ。十七歳の時に、母親の仕事の都合でドイツ・ベルリンに移住。一年後、ドイツの高校を中退し、京都の大学に進学。十九歳で結婚し、大学を中退。二十歳で出産。二二年秋頃から詩を書き始め、受賞作『湖へ』は第一詩集。京都市在住。

 受賞スピーチの後、姜さんは小熊の詩「蹄鉄屋の歌」と、受賞詩集の中から「根」を朗読。約五十人の参加者たちが、お祝いの拍手を贈った。

 記念講演では、北海道教育大学旭川校の村田裕和教授が「小熊秀雄―『戦争の世紀』を生きた詩人」と題して話した。(佐久間和久)