下川町の小原ハル子さん(95)=右写真=の編みもの展「紡ぎ人生 95歳」があすから二十六日(日)まで、デザインギャラリー(宮下十一)で開催されます。
小原さんは三十八歳の時、筋力の低下や疲労を引き起こす難病「重症筋無力症」を発症しました。病気と闘いながら六人の子を育て上げ、手の症状が軽いことから、母親に習った編み物を趣味として続けてきました。現在でも通院や体調不良がない限り、毎日六時間以上は編み針を手にしているそうです。
同展では、タペストリーを中心に新作十七点を含む四十点ほどを展示します。母親から伝えられたという編み方は、専門家から見ても独自で他にない技法とのこと。下絵も描かずに編む、洗練された模様や色使いも見どころです。
「娘の私たちから見ても、羨ましいほど幸せそうです」と話すのは、小原さんの長女で、同展を企画した丹羽留利子さん。「ほめられるのが大変嬉しいようで、三年前に開催したときは私たちの心配をよそに、毎日のように会場に足を運んでは来場者と会話を楽しんでいました。作品については誰が意見を出しても聞き流し、自分の世界を表現し続ける姿、いくつになっても目的と喜びを持って生きる姿に、きっと元気がもらえますよ」と笑顔で話します。
三月に手術を受けた小原さんですが、とても元気とのこと。体調が安定していれば会期中は来場にいる予定です。
また、作品二枚をオークション形式で販売します。希望者は二十六日(日)正午までに、希望価格を書いた申込書を会場のポストに投函してください。同日午後二時に購入者を発表します。
入場無料。開館時間は午前十時から午後五時まで(最終入場は午後四時)。問い合わせは、同ギャラリー(℡23―3000)まで。