旭川実業高校の自動車科が製作した電気自動車が旭山動物園に寄贈されることになり、三日に開かれた旭川青年会議所(嶋岡寛之理事長、旭川JC)の例会の中で贈呈のセレモニーが行われた。
この電気自動車は、昨年の十一月から今年二月にかけて、同校自動車科の杉下唯さん(3年)、藤井颯生さん(同)、渡邊崇さん、西村雄太さんの四人が製作した(渡邊さんと西村さんは今春卒業)。今年二月に行われた札幌モーターショーの「北海道ハンドメイドエコカーコンテスト」でグッドデザイン賞を獲得した。
バッテリーを動力に、時速約二十五㌔で一時間ほどの走行が可能だという。ボデーは建築用断熱材のスタイロフォームを材料にして、ホッキョクグマをモチーフにデザインを起こした。塗装は旭川高等技術専門学院の色彩デザイン科が協力した。車名の「ポーラー」はホッキョクグマの英語名「ポーラーベア」から取った。
贈呈セレモニーでは製作の様子をスライドで振り返った。生徒たちは「ボデーは断熱材だが、実際に冬に乗ると大変寒い。断熱性だけでなく気密性が大事だとわかった。また作る機会があれば、シートヒーターを付けたい」などと感想を語った。
旭実高からポーラーの寄贈を受けた坂東元・旭山動物園園長は「最近は湖に行くことが多いが、出来ればこれに乗って行きたい」と脱走中のフラミンゴについての冗談を交えつつ、生徒たちにねぎらいの言葉をかけていた。
動物園内での用途はまだ決まっていないが、業務用ではなく、展示のほか職員によるデモ走行などの使い方になりそうだ。製作の指導にあたった青山亮介教諭は「見て触れて、来園者の皆さんに楽しんでもらえれば」と話していた。