ミニチュア作家・山野照人さん(64)の展示会が四日(木)から、じゃずそば放哉(ほうさい・六ノ七)で始まる。
五条七丁目・ふらりーとにある焼鳥の店「ぎんねこ」の店舗を十二分の一のスケールで正確緻密に再現したミニチュアモデルを展示する。創業六十年を記念して、店主の久保あつこさんが注文。二年かけて完成した。木製カウンターの焦げ目や、皿に乗った同店名物の新子焼きなどもとてもリアル。覗き込むと今にも焼鳥の香りが漂ってきそうな出来栄えだ。
製作した山野照人さんは、「久保さんとの打ち合わせで、カウンターの上のものまでは作れないと断わったんですが、出来ちゃいましたね」と笑う。焼き鳥やビール瓶のラベルなどの部分は全国の作家、木材部分は市内在住の木工作家「さっくん」の協力を得た。マッチ一本一本まで再現されている徳用マッチは、そのためだけにドイツから買い付けた材料を使用しているという。〇・数㍉の世界だ。
元美術教師の山野さんがミニチュア製作を始めたのは十一年前。通っていた陶芸教室で、五分の一ほどの陶器のポットのミニチュアを見て「孫のおもちゃぐらいなら自分にも」と製作を始めたという。「同じものを作ろうと、夢中になったらどんどん小さなものに挑戦したくなり、気付いたら十二分の一ほどの作品を作っていました」と話す。
展示会では「ぎんねこ」ほか、ミニチュア陶器や全国から買い付けたコレクションなどを展示する。
十三日(土)まで(七日と八日は休廊)。問い合わせはじゃずそば放哉(TEL85―6911)へ。