千六百点を超える鳥瞰図を描いた画家・吉田初三郎(一八八四~一九五五)の作品展が、レストランオリーブ(豊岡十三ノ五)で開かれている。一九三〇年(昭和五年)の旭川を上空から見たように描いた作品など、十点の複製が展示されている。

 初三郎は京都で友禅の絵師をしていたが、二十三歳のときに洋画家を目指し、後に企業の注文に応じて描く商業画家として人気が出始める。一三年(大 正二年)に描いた「京阪電車御案内図」が、翌年京都を修学旅行で行啓した皇太子(昭和天皇)に称賛されたことから、絵地図を芸術作品にまで高めたいと決 意。空から鳥が眺めているような「初三郎式鳥瞰図」を考案し、鉄道会社などの注文に応えて、国内のみならず中国大陸や台湾、樺太も描いた。北海道を描いた ものも多く、旭川の鳥瞰図は五度も描いている。

 今展の作品の中には、昭和五年と昭和十一年の旭川市鳥瞰図が含まれている。オリーブ社長の松浦英雄さん(61)は「当時の街並みや川の様子を見て いると発見の連続で時を忘れます。十~十五歳ほど年上の方と鳥瞰図を見ながら話すと、花咲町にかつて競馬場があったことなど昔話に花が咲いてとても楽し い。ぜひ年配の方に見に来ていただきたい」と話している。

 会期は未定だが、来年一月末頃までは展示する。問い合わせはオリーブ(℡35―2722)へ。