大笑いの「ドローン縄」と、自衛隊員の死を受け入れる覚悟があるのか――

■お知らせ　2010年11月2日号から「編集長の直言」は部分のみ公開いたします。

　カーラジオで一報を聞いた瞬間、私は大声で笑ってしまった。そして、「てめえの頭の上のハエも追えないで、集団的自衛権もあるまいに…」と一人ごちたのだった。二十三日付朝日新聞の一面トップの記事で復習すると。
――22日午前10時20分ごろ、東京都千代田区の首相官邸の屋上に小型無人飛行機（ドローン）が落ちているのを官邸職員が見つけた。機体の上部には液体の入った茶色いプラスチック容器（直径約３㌢、高さ約10㌢）のようなものが取り付けてあり、放射線が検出された。警視庁は威力業務妨害などの疑いで捜査を始めた。（引用終わり）
ドローンを飛ばした男は、二十四日午後、福井県警小浜署に出頭し、逮捕された。小浜市に住む無職の四十歳。警視庁公安部の調べに「今月九日午前三時半ごろ、反原発を訴えるために、自分が官邸にドローンを飛ばした」と供述しているという。プラスチック容器には、東京電力福島第一原発のある福島県内から採って来た「汚染土」を百㌘入れた、という。
政府は、大慌てで、ドローンの利用を規制する法整備の検討を始めたそうだ。二十五日付朝日、針すなおさんの一コマ漫画のタイトルは「ドローン（泥）縄」。首相官邸の上をドローンに吊り下げられて飛ぶ菅義偉官房長官が、「泥棒を捕まえてから縄をなう方式でありますが」と言いつつ、縄をなっている姿を描く。ニヤリとさせる諷刺画の妙である。

（工藤　稔）

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