前週の小欄、「よくまあ、そんなウソを…と、世界の中心で輝いていた『日本』って、いつのことだ?」について、読者でもある友人が言う。「一国の総理大臣が、オリンピック・パラリンピック招致のイベントの中で、世界に向けて平気でウソをつくんだもの。自国の民の大半はウソだって知ってるのにだぜ。子どもたちに、建て前とウソをわきまえて使いなさいと、総理大臣がお手本を見せたということだ」。
畏敬する一九四〇年(昭和十五年)生まれの先輩経営者は、「政治家なんて、ウソをつくのが商売みたいなものなんだから」と喝破する。だが、まだまだ青さが抜けない私なぞは、清濁合わせ飲む器量は政治家の資質として必要なのかも知れないが、明け透けなウソは、やっぱりダメだし、恥じるべきだと思う。
そんなこんなの酒の席で、くだんの友人・読者が「どこも取り上げないから、あれって問題ないということなんだべか…」と尋ねる。あさひかわ新聞は二月二十二日号で、「東が道議に立候補表明 『道議には戻らない』を翻意」の見出しで、昨秋の旭川市長選挙に出馬して落選した東国幹・元道議(47)が、今春四月に行われる道議選への立候補を表明したと報じた。「翻意」とあるのは、東・元道議が繰り返し、「道議には戻らない」と明言していたからだ。
市長選から一カ月後に行われた衆院選で、東は北海道ブロック比例区に立候補した。その出馬の記者会見でも、「道議に戻ることは全く考えていない」と断言している。
本紙二月二十二日号の記事は次のように書く。
――(前略)東は翻意の理由を「(二月)七日に自民党旭川支部臨時大会で自民党から強い要請を受けた。戦後、旭川選挙区で自民党は常に二人以上の議席を保ってきた。道内最大の六人区で、党公認の道議は一人ということにはならないと判断した。市議の中にも有能な若い人もいるが、手を挙げる人がいなかった。迷った末の決断だ」と話した。(後略)
(工藤 稔)
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