十一月三日号の小欄に、六十歳を過ぎてから身体の劣化が著しく、皮膚が弱って、特に頭皮がフケのように落ちて難儀をしている、それで、アトピーや皮膚病に効能があるとされる豊富温泉に行って来た、と書いた。その後日談を、少し。
 温泉の湯船で、苫小牧から七時間かけてこの温泉に三カ月に一回の割で通っているという青年に会って言葉を交わした。彼も私と同じ症状を抱えていて、黒い服を着る仕事柄、転職も考えなければならない事態に直面し、数多の治療や薬の使用を経て、この温泉にたどり着いたという。彼は、温泉に含まれる“油分”を譲ってもらい、自宅に持ち帰って塗布している、これまで受けた治療や薬に比べると効能がある、と話してくれた。
 その油分を私も手に入れて、しばらく使った。そんなある日、読者の女性から電話があった。「その症状に、私が作っているヘチマ水が、きっと効果があると思う」と言う。私が「友人の農家の奥さんから、手作りのヘチマ水をいただいて使っています」と答えると、「ヘチマが違います。ヘチマを育てる土が違います。ヘチマの育て方が違います。無農薬です」ときっぱり主張する。
 「神楽の生協のマクドナルドの前で」と約束し、お会いした。何度もお代を払うと申し出たのだが、固辞され、夫婦で栽培して収穫したヘチマから作ったという「ヘチマ水」をいただいた。三年間熟成させたものだという。「他人にはお勧めできませんが、私は喉が痛かったりしたら飲むんです。効きますよ」と自慢げではなく、教えてくれた。
 これが効いている。毎日、頭にたっぷり塗布する。フケのようなものは、ほとんど落ちなくなった。足のすねの皮膚炎の症状も改善し、治癒も近い。豊富温泉で会った、あの苫小牧の青年の連絡先を聞いておけばよかった、と後悔している。決して宣伝の意味ではなく、このヘチマ水は、旭川の道の駅(神楽四ノ六・旭川地場産業振興センター内)でも販売している。原液の「金」(百cc・千七百七十円)、保湿成分グリセリン入りの「銀」(同・千八百八十円)の二種類ある。問い合わせは、ヘチマのジンヤ(TEL63―8101)へ、どうぞ。
 自民党が在京のテレビキー局各社に「公平中立」な選挙報道を求める文書を送っていたと、朝日新聞や毎日新聞が報じた。二十八日付の毎日新聞を引用する。

(工藤 稔)

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