宣伝をさせていただく。末席を汚している中小企業家同友会旭川支部が八月一日、二条買物公園で「どうゆう名店街」というお祭りを開く。十五張のテントに二十の会員企業が出店し、農家なら採り立ての野菜や農産加工品を売ったり、飲食店なら自慢の料理を出したり、お菓子屋さんなら実演販売を、という具合。ワイワイやって中心街の人出に一役買うと同時に、「同友会」の存在を知ってもらいながら自分たちも楽しんじゃおうという、いささか欲張りなイベントだ。
初開催の祭りの実行委員長は農業生産法人の社長。当日の天気を心配する仲間たちに「これだけ皆が盛り上がって準備しているんだから、雨なんか降るはずがない」と断言する。お天道様と土を相手に生きている人だけが持つことができる、あまりに非科学的な論理だから、こちらは信ずるしかない。午前十時から午後四時まで。稚内と羽幌の会員は、新鮮な海産物を出品する。読者の皆々様、ぜひ、お立ち寄りを。枕はここまで。
「市内勤務の三十代男性です」という読者から、前週の小欄についてメールが届いた。紹介する。
今週の記事を読みまして、その通りだと思いました。枕もそうですが、河畔林の話は特にそう思いました。というのも、先月久しぶりに富良野線に乗る機会があったのですが、西神楽方面から旭川駅に向かうところで、上川神社の下を抜けて北彩都エリアに入って、「ほうほう、工事は今こうなっているのかぁ」と外を眺めていましたが、駅に近づくにつれて、「おや?河畔林は?」と思ったものですから…。
確かに、全ての河畔林を残せという方が、恐らく無理なのでしょう。雑草の問題、鳥獣の問題、虫の問題、ゴミの問題、不法投棄の問題、不審者の問題…etc. 市の立場、駅舎管理の立場、道(道警)の立場、等々を考えると、ある程度の伐採や整備は致し方がないというのは少し考えればわかることです。
ただ、ある程度、という限度があると思うのです。今回見た印象では、ある程度を少々超えてしまっていると感じました。したがって、編集長のご意見はもっともだと思ったのです。
一角にでも良いので、神楽岡公園のような、自然(に近い)森の中を散策できるエリアを設けても良かったのではないかと思いました。市には(駅周辺開発課には)、そういう発想の人間が居なかったのでしょうか。
真のビオトープとは何かというものを、ちゃんと学んできた人間が一人でもいれば、そんなことにはならなかったのでは無いでしょうか。誰が設計図を書いたのか、専門家に依頼しなかったのか、残念でなりません。
市都市建築部駅周辺開発課の担当者の説明を要約すると「豊かな緑の河畔林と言っても、そのほとんどはヤナギの木で、その上、駅の側から見ると繁茂したヤナギにふさがれて、川が見えないという状態だった」「ハルニレやヤチダモなど寿命の長い広葉樹で、移設可能な大きさの木は、別の場所に植え替えたりもした」「河川管理者は第一義的には治水を重視するが、環境とのバランスを考えながら、良質な河畔林を創出するというのは、私たちと共通の目標」「植樹したのが幼木だから、今は殺風景だが、三十年後には神楽岡公園の河畔のようなイメージの緑豊かな公園になるはず」。
〇六年、河川を管理する北海道開発局の委託を受けて、この駅裏約四百メートルの忠別川河畔林の調査が行なわれている。数えた樹木の数は千五百六十七本。そのうちヤナギの仲間が十四種、約千二百本、ヤナギ以外の木が十八種、約三百五十本あった。
調査に関わり、その後も市主催の忠別川自然観察会では“先生”役を務めている塩田惇さん(旭川帰化植物研究会代表)は、「ほとんどはヤナギだろうと予測していたのだが、意外にも広葉樹がたくさん生育していた。河川管理者の立場からは、洪水のときに水をスムーズに流す必要があるから、出来るだけ河道の樹木はない方がいいと考えるのは分かる。ただ、間伐や下枝を枝払いすることで、洪水対策とのバランスを取る手法は考えられなかったのか。私たちは、これほど皆伐に等しい状態になるとは思っていなかった。新しい旭川駅は“豊かな河畔林を望む駅舎”が売りだっただけに残念だ」と指摘しながら、「それにしても、〇六年に私たちが行なった調査は、何のためのものだったのかと思う。行政というのは、調査は調査、工事は工事なんですね…」と嘆息する。
前号で書いた、観察会に参加した男性の声もそうだが、工事主体による事前の説明と、工事が進むに従って変容して行く実態との間のギャップに、関心を持って見守っている市民の多くは戸惑い、困惑する。新・河川法が謳う精神を誠実に受け止めれば、たとえ手間隙がかかろうとも、もう少し、川と緑に関心を持って見守っている市民に向けて、丁寧な説明をする必要があるのではないか。そして、その声を吸い上げる行政上のシステムを考え出すべきではないか。
お役人たちは、私たちの血税を使って、私たちに代わって工事・仕事をしているという、本来的な立場を肝に銘じてくれなければ、困る――。