東海大学芸術工学部の学生四人が設計・デザインした複合障害福祉事業所「アダージョ」(二ノ九)の食堂兼カフェが十月二十八日、オープンした。アダージョを運営する社会福祉法人「はばたき」(荒川繁雄理事長)が七月に、同大の大野仰一教授を通じて学生らに依頼していた。
この事業所は元和風旅館を改装した建物だ。食堂兼カフェはグループハウスとして生活の場に使っている知的障がい者と身体障がい者の五人が朝夕の食事をとり、昼間は一般市民も利用できる。
設計・デザインを担当したのは、同大くらしデザイン学科三年生の佐藤麗花さん(21)と上野志織さん(21)、藤森祥太さん(21)と、建築・環境デザイン学科四年生の鈴木はなさん(22)の四人。
佐藤さんは「和風旅館だったので段差が多くありました。足の不自由な利用者の方もいますから、床はフラットにしました。テーブルも座った人同士が背を向け合うことのないよう、アットホームな雰囲気を醸し出す長テーブルにしたいと提案しました」と話す。
鈴木さんは「話を聞いて興味があったので参加しました。私は設計図を担当しましたが、学生が実際の家の改装などに携わることなどないので、大変勉強になりました」と貴重な経験を喜ぶ。
アダージョの井上俊一施設長は「東海大学が来春旭川からなくなるという話を聞き、ぜひデザインをやっていただきたいとお願いしました。しっかりとしたコンセプトを持って設計していただき、本当に良いものができたと思います」と満足の様子。
カフェでは日替わりランチ(五百五十円)、コーヒー(三百円)などのメニューを用意して一般の利用を待っている。