道教育大旭川校の書道研究室による書道展「三浦綾子を書く」が三浦綾子記念文学館(神楽七ノ八見本林内)で開かれている。
十七人のゼミ生のうち、一年生以外の十三人が参加。三月から三浦綾子さんの作品の熟読を始めて、それぞれが心に残った作中の一文を書にした。
ゼミ長の杉山千華さん(三年)は、綾子さんの青春時代を描いた自伝的作品の「道ありき」を選んだ。杉山さんは帯広市出身で、高校までは旭川や三浦文学に縁がなかった。この小説を選んだ理由について「綾子さんの人物像が理解できるだろうと思って読み始めました。誠実な人柄、芯の強さとともに、周囲の人々に支えてもらったという強い感謝の気持ちも読み取ることが出来ました」。入水自殺しようとした綾子さんを助けた西中一郎氏が、責めたりせずに「駅の方に行ったのかと思って、先に駅の方に走って行ったんだよ」とぽつりと言うシーンに強く心を惹かれ、近代詩文書で表現した。
ゼミの学生は約半数が旭川以外の出身で、道外出身者も一人いる。三浦文学を読んだことのある学生は少なかったが、この企画をきっかけに読み始めた人が目立つという。六月二日(日)まで。
入館料は一般五百円、大学・高校生三百円、小・中学生百円。五月二十七日(月)は休館。問い合わせは三浦綾子記念文学館(TEL69―2626)へ。