テレビも大新聞も石原慎太郎さんのことを大々的に取り上げる。十月二十五日、石原さんが知事辞職の緊急記者会見を開いたその日、マスコミにほとんど無視されたけれど、小沢一郎代表の「国民の生活が第一」が結党記念パーティーを開いていたのだそうな。ホテルニューオータニに四千二百人が集まったと、ネットの情報で知った。
「石原さんなんて、知事を辞めたら、ただの人。たちあがれ日本の党首になるとしたって、衆参五人の小党よ。片や小沢さんの『国民の生活が第一』は衆参五十人、民主党、自民党に次ぐ国会議員を有する政党じゃない。小沢さんの党が次の選挙の争点として、明確に『脱原発』を掲げようとしていることも、大マスコミが一様に小沢新党を無視する理由だと私には映る。ひどい偏向報道よ」と三・一一の前から反原発の立場で活動してきた友人の女性の話である。
一日付けの読売新聞は、石原知事が花束を抱えて都庁を去る写真付きで「石原氏正式辞職」「都政13年半 ロッキーのテーマで幕」の見出しの記事を載せた。
「この日は最後の庁議に臨み、幹部を前に『東京でやってきたことはすべて正しかった』とあいさつ。…東京消防庁音楽隊が奏でる映画『ロッキー』のテーマ曲で送り出された。この日正午過ぎに自宅を出た際には報道陣に、『長い、かなりいい小説を書いた後の開放感と満足感というのかな、そんな感じです』と、晴れ晴れとした表情で話した」。
(工藤 稔)
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