沖縄戦を生き抜いた女学生たちが「歴史の語り部」として活動する姿を記録した写真展「女子学徒たちのウムイ(想い)」がギャラリージュンク(フィール旭川内ジュンク堂二階)で開かれています。旭川出身の写真家、田中正文さんの作品展です。

 女子学徒隊員は、沖縄本土が戦場になった一九四四年(昭和十九年)、高等女学校の上級生五百五人で組織されました。看護活動や戦死者の埋葬、水汲み、伝令など命がけの任務にあたり、百八十九人が戦死しています。

 戦火を生き延び、戦後を懸命に生き抜いた元女子学徒たちは、長く口にすることが出来なかった「思い」を生きているうちに後世に伝えなければと、語り部として活動を続けています。田中さんは二〇〇七年から、彼女たちに密着し、カメラを向けました。

 二十七点の写真には、語り部たちが壕や野戦病院跡で学生たちを前に当時の惨劇を語る姿や話を聞いて涙する学生たちの様子、惨状跡地で自作の絵を使って語る姿など一枚一枚が心に響く写真ばかりです。

 「沖縄戦で亡くなった人は二十万人以上。玉砕した二十四師団には、旭川の七師団から派遣された将兵が数多く含まれています。決して遠い地で起こった他人事ではないのです」と田中さんは話します。入場無料。十日(水)まで。