市内在住の陶芸家、工藤和彦さん(41)の個展が、家具メーカー・北の住まい設計社(東川町東七北七)のギャラリーで開催されている。
工藤さんは神奈川県出身。高校時代から陶芸に親しみ、卒業と同時に信楽の窯元に弟子入りした。「剣淵町で粘土がとれる」と聞いて九三年(平成五 年)に北海道に移住。現在は比布町との境界の突哨山の麓に陶房を構えている。本紙のコラム「アール・ブリュットな日々」(毎月第二週に掲載)の執筆者でも ある。
今展では、工藤さん独自の技法「黄粉引」の器に加え、シラカバの樹皮を思わせる新作など、約二百五十点を展示販売している。
工藤さんの個展が北の住まい設計社で開催されるのは初めて。同社の企画担当者、渡邊雅美さんは「ある時、雑誌を眺めていると、土を感じさせるのに 洗練されていて、形もきれいな器が目にとまりました。作家名の横に旭川市とあったので驚き、すぐに工藤さんに連絡を取って今展が開催出来ました」と経緯を 話す。
一方、工藤さんは北の住まい設計社について、「単なる量産ではなく、使い手に大事にされる品物づくりをしていると以前から思っていました。モノづ くりへの確かな技術的裏付け、また一つひとつの品物をしっかり作ろうという“正義感”を感じています」と、同社の姿勢への共感を話している。
三十日(日)まで(水曜定休)。二十日~二十三日は作家在店。午前十時~午後六時。問い合わせは北の住まい設計社(℡82―4556)へ。