『旭川歴史市民劇 旭川青春グラフィティ ザ・ゴールデンエイジ―コロナ禍中の住民劇全記録―』の出版記念イベントが九月二十五日、まちなかぶんか小屋(七条買物公園)で開かれた。
同書は今年三月、一九九〇年以来三十一年ぶりに市内で上演された市民劇『旭川青春グラフィティ ザ・ゴールデンエイジ』の取り組みをまとめたもので、七月末に発売された。
イベントでは、著者で同劇総合プロデューサーの那須敦志さんと演出の高田学さんによる対談も行われ、いくつかのシーンを取り上げながら、制作時の裏話やエピソードなどが語られた。
本公演のフィナーレで、小熊秀雄の詩『青年の美しさ』を出演者一人ひとりが暗唱する象徴的なシーンについて、那須さんは「詩の群読というのは、旭川の劇団では長く取り組んできた表現の一つです。劇に登場する、かつて旭川で活躍していた詩人たちも当時、自作の詩を朗唱し合っていて、このような蓄積というものがこのシーンに現れているような気がしています」と語った。
また、高田さんは本公演二日目の本番直前に行った解散式について「これが終わったら、約二年半をかけて一緒につくり上げてきた皆さんと、このように揃って会うことはないのかなと考えると、卒業式で生徒を送り出す先生のようで感慨深かったですね」と振り返った。
書籍はA5判、二百六十七㌻。千九百八十円(税込)。まちなかぶんか小屋のほか、全道の書店などで購入できる。
問い合わせは、まちなかぶんか小屋(TEL23―2801)へ。(東寛樹)