5ノ11、シュロス5条1F・TEL25-5718
おいしい寿司が食べられて、しかも安いとなったら、これほど幸せなことはない。ランチ時には、客が開店前から待ち、たちまち満員になるというのも分かろうというもの。
なんといってもランチの絶大な人気は生ちらし(七百八十円)。驚くほどのネタの量で、しかもおいしく美しい。さらに、ランチメニューには握り寿司(八百八十円)、タコ丼(七百八十円)、天丼(七百三十円)、カツ丼(同)など魅力的な品が並び、選ぶのに困るほど。
和食店で修業し、永山で居酒屋を開いていた店主の岡田通さん(69)が、現在の店を開いたのは一九八〇年のこと。以来四十年近く、わざわざ遠方からも客が詰めかける超人気寿司店となった。
今回いただいたのは、夜の部の特上生寿司(二千百円)。中トロ、赤貝、タラバガニ、平目、北寄貝、ボタンエビ、イクラ、ウニの八貫が豪華に並ぶ。職人技がなせる華やかさで、スーパーの食品売り場に並ぶ寿司とはやはり別物。
まず平目。ネタが厚切りで、上品な旨さ、甘さがじわっと口中に広がっていく。大きなボタンエビ、山盛りのウニは、ねっとりとした濃厚な甘さがこたえられない。そして、中トロは極上の脂が舌の上で溶けていく…。
「出来るだけ味の良い旬のネタを市場から取り寄せ、価格を抑えることに気を使っています」と岡田さん。そうなのだ。スーパーのまがい物を三回食べるより、ここでせめて月一回食べたい!
夜は、特々上生寿司(二千六百円)や同生ちらし(同)など寿司の他、上天麩羅定食(刺身付き千六百円)、刺身定食(千四百円)、カツ定食(千百円)、鉄火丼(千四百円)などこれも多彩。しっかりと焼酎のボトルをキープして通いたくなる店が、またまたできた。
定休日は日曜日。営業時間はランチが午前十一時三十分~午後二時、夜が四時三十分~十時。(フリーライター・吉木俊司)
ケロコのひとことメモ
ここのお寿司はおいしい。ご夫婦の雰囲気も良く、お気に入りの店だ。夜ももちろんいいけど、人気は何といってもランチだ。
ほぼ全員と言ってもいいくらい、食べているのは生ちらし。何しろ780円。丼からあふれるくらいにお刺身がのっている。バランスを考えて食べても、ごはんが足りなくなる。この値段では申し訳なくなるくらい。
その陰で、安定したファンがいるのがカツ丼。食べると、肉の香りが口いっぱいに広がる。どちらにするか。ええい、両方食べるか…。