常磐公園内のタコの滑り台が老朽化のため、新しい遊具に付け替えられることになったことから、一日、五十六年間の感謝の意を込めた「さよならタコさん」の催しが行われた。同実行委員会の主催。

 雨のため一日順延となった、この日は朝から晴れ渡り、タコの滑り台の周りには多くの家族連れがひっきりなしに訪れていた。中には親子三代とみられる家族連れも散見された。子どもたちだけでなく、大人たちも「56年間、ありがとう」「さみしい」などと、滑り台の台座に次々とマジックで書き入れていく姿も。

 滑り台の周りではシンガーソングライターや詩人の朗読、和太鼓、演劇のライブが行われ、午前十一時半ごろに、希望者全員が滑り台をバックに記念写真に収まった。

 お父さん(晋司さん)と一緒に訪れた、近くに住む萩村陽太くん(11、小学五年生)は「タコがなくなるなんて、とてもさみしい。なんで壊してしまうのかなぁ。タコの近くにとても気に入っていた木の株の小さな滑り台もあったけど、これもなくなったんだ。タコさんに『今までありがとう』と書きました」とちょっと寂し気に話した。

 タコの滑り台の取り壊しは二日から始まり、三日には撤去作業も完了した。(佐久間和久)