十六日付朝日新聞一面肩の記事の三段見出しは、「『巨大地震注意』終了」「南海トラフ 備え呼びかけ」。本文を引用しよう。

 ――気象庁が発表した「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」から一週間が経過したとして、政府は十五日午後五時、特別な防災対応を求める呼びかけを終了した。八日の地震発生以降、大きな地震や地殻変動の特異な変化がみられなかったという。
 松村祥史防災担当相は十五日夕、記者団を前に「大地震の可能性がなくなったわけではない」と改めて呼びかけた上で、「通常の生活を送って差し支えない」と述べた。(後略・引用終わり)

 「いよいよ、南海トラフ地震が起きるのか…」と身構えていたら、一週間で「もう大丈夫」。なんだか、拍子抜けするなぁ。そもそも三十年以内に六〇~七〇%の確率で起きると騒いだ「南海トラフ地震」ってなんなの? ネットをウロウロしていたら、東京新聞のウェブ版の記事を見つけた。まずは、南海トラフ地震とは、以下引用しよう。

 ――静岡県の駿河湾から九州沖の海底に延びる溝(トラフ)沿いで起きる巨大地震。過去千四百年の歴史上、百~二百年間隔で大地震が起きている。政府の中央防災会議は二〇一二年、最悪の場合、死者が約三十二万人に上ると想定。地震調査委員会は一三年に南海トラフ全域でマグニチュード(M)八以上の巨大地震が三十年以内に起きる確率は六〇~七〇%と発表。一八年には年数の経過により七〇~八〇%と引き上げられた。(引用終わり)

 で、東京新聞の記事に戻る。小沢慧一記者の署名記事だ。小沢記者は、取材をまとめた著書『南海トラフ地震の真実』(二〇二三年・東京新聞刊)で第七十一回菊池寛賞を受賞している。

 二〇二二年十月十七日の「『巨大地震が起こる確率80%』の根拠がタンスの古文書って… あぜんとした記者は徹底検証のため高知へ向かった」と見出しを振られた六回連載の記事は次のような書き出しだ。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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