朝、起き抜けに畑に出て、キュウリやらナスやら、ピーマンやら、ここ五日ほどはトマトも、有機無農薬の野菜を収穫して家に戻る。朝は涼しいとはいえ、びっしょり汗をかく。家人が「早くシャワーしないと、トラちゃんが始まっちゃうよ」と急かす。このところNHKの朝ドラ『虎に翼』を観るのが夫婦の“約束事・お決まり”になっている。朝ドラを観るなんて、ン十年ぶりだ。知り合いの弁護士のフェイスブックにも『虎に翼』は頻繁に登場するから法曹界でも注目されているのだろう。三十日放送の回は、家人と「あらら、珍しいじゃないの、NHK、大丈夫かぁ?」と声を上げたくなるような場面があった。以下は、七月三十一日の中日スポーツ・ウェブ版の記事。
――三十日放送のNHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」第八十七話で、関東大震災後に起きた朝鮮人虐殺を正面から触れた内容が、ネット上で話題となっている。
この日の放送では、朝鮮籍の男性が被告人となった放火事件の裁判を巡って、関東大震災が俎上(そじょう)に上った。
「火のないところに煙は立たずですよ」と男性の弟に疑いの目を向ける裁判官の入倉(岡部ひろき)に対し、上司にあたる航一(岡田将生)が、「朝鮮人が暴動を起こした」との流言により、罪なき朝鮮人が大勢殺されたことを説明。「差別が生まれる理由はさまざまです。火のないところに煙は立たずで終わらせるのか、それとも、その煙をあげたのは誰なのかを見極めるのか」と語りかける場面が描かれた。
朝鮮人虐殺という歴史的なできごとを、直球で扱ったことが、X(旧ツイッター)では大きな話題に。「なぜわざわざ扱うのか」「NHKは左翼だ」といった一部からの批判をかき消すように、「よくぞ!」「本気なんだな。全ての差別に対して…」などの声が挙がった。
(全文は本紙または電子版でご覧ください。)
(工藤 稔)
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