十四日付毎日新聞一面肩の記事。見出しは「マスク氏『効率化省』トップ」「トランプ氏設立 政府外助言機関」。読んで、ムカムカした。無神経、無節操、恥知らず。さすがは、あの安倍晋三のマブダチだぜー。以下、本文。
――トランプ次期米大統領は十二日、連邦政府の歳出削減や規制緩和を推進する政府外の機関「政府効率化省」のトップに、いずれも実業家のイーロン・マスク氏とビベック・ラマスワミ氏を起用すると発表した。建国二百五十年に当たる二〇二六年七月を目標に政府機関の改革を進める。
トランプ氏は声明で「現代のマンハッタン計画(第二次大戦中の原子爆弾製造計画)」になり得ると期待を示した。政府効率化省の役割については「官僚主義を壊し、過剰な規制をなくし、無駄な支出を削減し、連邦政府のリストラを進める。ホワイトハウスなどと連携し、政府の外から助言や指針を与える」と説明した。(後略)
第二次世界大戦に勝利した米国の歴史認識そのものだ。何の疑いも、迷いもなく、「原爆投下が戦争を終わらせた」と信じている。NCC長崎文化放送の報道によると、原爆開発を引き合いにしたトランプ氏の声明に対し、長崎原爆の被爆者の一人、山川剛さん(88)は、「最も使ってはいけない言葉を彼は使ったというふうに思う。あのマンハッタン計画がどういうことをもたらしたのかということを、こんなに想像出来ないものなのかという、その衝撃も受けた。核兵器が炸裂した後人間がどうなるのか、生き物がどうなるのか、自然がどうなるのかとそれを、恐らくほとんど理解してないと思う。(トランプ氏は)知識としても多分ないと思う。言語道断ですよ、本当」と怒ったそうだ。
やった側とやられた側、被害を与えた国と受けた国、立場の違いと言ってしまえばそれまでだが、被ばく者の山川さんの言葉通り、あまりの想像力の欠如ではないか。この男が口にする「アメリカを再び、偉大な国にする」云々という、貧弱な語彙を露呈するスピーチにも口あんぐりだ。民主主義の先進国・米国の民は、「反知性」の塊のような人間を大統領に選んでしまった…。
それより何より、日本政府は、このトランプ氏の「マンハッタン計画」発言に、強く抗議すべきだ。石破茂首相は、駐日米国大使を呼び出して、正式に、世界に向けて抗議しなくてはならない。時あたかも、被ばく者の活動に対してノーベル平和賞が授与された、いま、世界をけん引する大国・アメリカの大統領になろうとする人間が、このような暴言を吐いて許されるはずがない。怒りの枕は、ここまでにして。
毎日新聞電子版「特集大阪・関西万博」の「私の万博考」で作家・高村薫(71)のインタビュー記事を読んだ。書き出しは、こうである。「行くか、と尋ねられれば、答えは『行きません』」――。以下、本文を引用しよう。
(全文は本紙または電子版でご覧ください。)