今季の菜園の報告を。六本植えたキュウリは、まぁまぁの出来。収穫はそろそろ終わりだ。家人が毎年つくる粕漬用にLサイズを約百本塩漬けにした。谷口農場から苗を分けてもらった「りんか種」のトマトは今年も上出来。家人が順次、熟した大玉を越冬用に冷凍庫に蓄えている。ピーマンは今頃最盛期を迎えている。毎朝、六、七個収穫中。ナンバンは三本定植して、一本は成長不良だったが、それでも豊作で、いとげんの麹を使って三升漬を作った。家人が「私が生きているうちに食べ切れないな」と言うほどの量だ。
で、ナス。去年は夫婦二人では食べ切れないほどの収量だったのに、今年はまるで良くない。家人がかつて働いていた老人施設で出会ったエンドウさんから伝授されたことにちなみ、我が家では「エンドウ漬」と呼んでいる、キュウリとナスとナンバンを適当に小さく切って、しょう油と和えるだけの即席漬の材料にも事欠くほどの不作。日当たりが良くない場所のせいかな。ナスは難しいなぁ、と嘆いているとき、たまたま北海道新聞デジタルの記事が目にとまった。「『栽培不適地』北海道でナス栽培じわり 背景に…」という見出し。以下、リードを引用しよう。
――夏野菜の定番、ナスが旬を迎えています。焼いてよし、煮てよし、揚げてよしの万能野菜。熱を加えてふわふわ、とろとろになる食感がたまりません。ただ、全国有数の畑作地帯として知られる北海道の野菜売り場に並ぶナスは、ほぼ道外産です。それもそのはずで、北海道のナス作付面積はなんと全国最下位。気温が低いため生産効率が悪く、土壌病害も足かせとなっています。ところが近年、「栽培不適地」だったはずの北海道でナスを手がける農家が現れています。背景には、猛暑による道外のナスの異変もあるようです。なぜ今、北海道でナスなのか。道内の商社や大手スーパーも注目するワケを探りました。(経済部・山口真理絵)
胆振管内伊達市の農業生産法人が二〇一九年からビニールハウスで養液栽培による長ナス生産に取り組んでいる、と伝える記事。土を使わず肥料を水に溶かした培養液で育てる方法。道内では一九七〇年ごろから、コメの転作による露地のナス栽培が広がったが、本州と比べて気温が低いため収穫期が七月下旬から八月中旬と短く、土壌病害もあって作付け面積は急減し、道外産のナスが流通し、定着していった、という歴史があるそうな。確かに、スーパーの野菜売り場で、道産のナスを見ることは、夏でもない。
記事を読み進めると、「旭川では二〇二三年から栽培開始」の見出しがあって、荒川始さんの名前が出てきた。あの荒川さんか…。東旭川のコメ農家。さっそく電話した。
(工藤 稔)
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