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性能テストのため、一部分にだけ「スノーガードN」を設置した屋根。未設置箇所との差は歴然としている。

お盆が終わり、厳しい暑さもこれまで。すぐに秋風が吹き始めて、やがて厄介な雪の季節――。冬の悩みのタネ、屋根の雪。なかでも軒先の雪庇に頭を 痛める人は少なくないだろう。実は記者もそのひとり。隣の駐車場に張り出た雪庇が他人のクルマに落ちないかと心配し、屋根に上って雪庇を落としては「いつ か自分も落ちて大ケガか」と我が身を案じている…。

 取材活動を通じて、良さそうな雪庇止めに出会った。日新テクノS. A. (株)の「スノーガードN」。本体が風で僅かに揺れることで、雪庇の発生を防ぐ。融雪タイプではないので、電気代などのランニングコストはゼロ。すでに7年の 実績があり、施行数は全道で120件以上に上るという。

 同社は屋根材や外壁材など、板金建材を開発・製造するメーカーで、施行も行なう。創業は2004年(平成16年)6月。社長の内田貴弘さん(32)が、前身である日新金属産業の技術ノウハウを引き継ぐ形で創業した。前身の会社を含めると、すでに20年の歴史がある。

 同社の建材は、日本各地の大型施設から一般住宅まで、幅広い用途で使われている。地元旭川の北方建築総合研究所や釧路のフィッシャーマンズワーフ をはじめ、東京のJR品川駅、JR大崎駅、長野オリンピック競技施設、広島市アジア大会の競技施設、福岡ドームなどに導入実績がある。

 「スノーガードN」が雪庇を防ぐ仕組みには、高さ80センチの振動板に秘訣がある。

 雪庇そのものの発生は、板の高さで抑える(旭川よりも豪雪の地帯では、高さを90センチにするなどして対応する)。肝心なのは、雪庇止め自体に雪が張り付くのをいかにして防止するか。これが解決出来ないと、「雪庇止めに雪庇が出来る」という皮肉な現象が起こる。

 「スノーガードN」は、風によって振動板が微妙に揺れることで、雪の付着を防止する。揺れを大きくするほど効果は高いが、音がうるさくなる。開発 当初は苦情の声があったが、現在では苦情に結びつかず、かつ効果も充分な程度の揺れに改良されている。12色があり、外壁のイメージに合わせて色を選ぶこ とが出来る。

 毎年、雪のシーズンの前になると「スノーガードN」への問い合わせ・施行依頼が急増するそうだ。混みあう前のこの時季に、早めの雪庇対策を検討されてはいかがだろうか。問い合わせは日新テクノS. A. (株)(豊岡6-4 電話33―9787)へ。